2016年度 第4回 ボランティア養成講座 ~摂食障害~ 生きづらさからの回復・成長 いいかげんに生きよう 

ボランティア養成講座の4回目は講師にNABAの鶴田桃エさんをお迎えして、9月24日(土)に開かれました。

摂食障害の自助組織であるNABAのメンバーをお迎えして、体験、障害の根っこ、互いの寄り添い、ただただ聞くことの効果などを話していただきました。

講師はクリスチャンではありませんが、講座の始まる前にカテドラルを見学なさり、ピエタ像に大きな感銘を受けたとおっしゃいました。あのように無条件に抱きかかえられることは多くの人々の夢だと思うが、摂食障害者の成長には1人ではなく、よりたくさんの人に受容されることが必要であると‥‥

副題である「いいかげんに生きよう」に表されるように、こうでなければ‥‥と思い詰めることなく、あるがままの自分と仲間を受け入れることが、百の薬に勝る人生の軌道確保になると感じさせられました。

 

受講生の皆さんの感想を幾つかご紹介します。

*マザーテレサの様に一人一人を大切にし、慈しみ、愛を与える行動が、薬物、アルコール、摂食障害の方々の支援に大切なことと再確認できました。

*お話を伺いながら自分の子育てをいろいろ考え、親子関係の大切さ、いい加減と言うか、手を抜く、休みながらの生活と共に歩む方向を見極めていくことができていたかどうかを反省させられました。

*「決して元に戻る“回復”ではなくて少しずつ成長していけば充分」という言葉の重さを感じました。

 

今年度の講座は、残るところ2回となりました。次回は、今や誰にとっても他人ごとで済まされない「認知症」を取り上げます。自宅を開放し、認知症カフェを開くという草の根の活動を続けておられる竹内弘道氏をお迎えして、家族、ボランティアに何ができるかを考えてまいります。

 

ボランティア開発養成室は、来年度の講座の企画に取りかかっています。

この講師の話、このテーマで聞きたいという方は、ご希望をお聞かせ下さい。

 

2016年度 第3回 ボランティア養成講座 ~聴いて、行う~

第3回ボランティア養成講座を2016年7月16日(土)に開催いたしました。

講 師:中島 幸子 先生 (レジリエンス)

テーマ:「DV・虐待が及ぼす影響」

 

暴力とは、「支配」の問題。どちらかと言えば、親しい中に起こることが多いのです。良い関係とは、1.対等で、2.尊重し合え、3.安心感がある、ものです。暴力の被害にあった人には、小さくても確かな支えが豊富にあることが大切です。

中島先生のレクチャーに、共感の輪が広がり、受講生の発言が活発になりました。

 

受講者の方々からの感想をいくつか紹介させていただきます。

・中島さんの今日の講演から“ほんとうに人を大切にしている”ということ、真剣にそれを考え続けているということがもの凄く伝わって来ました。ありがとうございます。

・トラウマを抱えて生きていくということは、大変な事だと思います。でも、中島さんのパワフルなお話しをきいて、トラウマの中からの成長があるということを実感しました。

・誰でもが暴力的になる可能性を持っている事を意識して、自分も傷つかないように、他者を尊重できるように自分の振る舞いを気にして起こそうと思いました。

・重くて深いテーマを真実にお話し下さり心を打たれました。暴力の原因を表面的にしか理解していませんでした。一部の人の問題ではなく、自分を含めて人間の罪の恐ろしさをあらためて思わされました。お互いに尊重して生きられるようと心から願いました。中島先生の愛の深さが伝わって力をいただきました。心から感謝します。先生と出会った人が、希望を持って自分の人生を大切に生きられるよう祈ります。

 

第4回ボランティア養成講座は、9月24日(土)13:00~です。

第4回目以降の講座をお申込みの方の受講料は3,000円/3回です。

お申込みをお待ちしています。

2016年度 第2回 ボランティア養成講座 ~聴いて、行う~

第2回ボランティア養成講座を2016年6月18日(土)に開催いたしました。

講 師:Sr. 林 義子 (援助修道会)

テーマ:「聴く、聴く、聴く・・・・」

 

『いのちの電話』に創設以来かかわってこられたシスター林義子は、その長いご経験から、解決をめざすのではなくただそこにいることの大切さを教えてくださいました。

 

受講者の方々からの感想をいくつか紹介させていただきます。

・ボランティアの深い意味を教えていただき感謝します。人間の存在は、つながることだと思いました。向き合うこと、共にいること、聴くことの素晴らしさと難しさを深く知らされました。

・経済優先の社会環境の中で、犠牲になるのは『人のいのち』。関わりの希薄さが『人のいのち』の重さ、大切さを失うことにつながっている、というお話から『人はひとりでは生きられない』ということを再認識しました。

・ボランティアとして活動する時は、対相手との距離感の取り方が重要になるのではないかと思いました。顔が見えない電話だからこそ本音が話せるというのが『いのちの電話』の魅力のひとつでもある気がします。

・一日誰とも会話をしていないお婆さまからの言葉、「あなたがそこにいることがわかって良かった」とのエピソードが印象的でした。人に寄りそうということは“解決する”ということではなく、“共にある”ことなのだと思いました。

 

皆様からの率直なご意見が多く、身の引き締まる思いです。ボランティア養成講座は、東京カリタスの家と受講者さん、そして講師の先生がともに作り上げていくものです。今後が楽しみです。

 

第3回ボランティア養成講座は、7月16日(土)13:00~です。