つばさ通信1月号より ~管理者のつぶやき(抜粋)~

 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

 本当にあっという間にカリタス翼も三年が経ちました。昨年も、皆さんのおかげで大きな事故もなく、無事に運営することができました。ありがとうございました。

 改めて昨年を振り返ると、カリタス翼にとって、未来に繋がるような、ささやかだけど大きな変化がありました。

 

 一つは、秋に行ったシンポジウムの開催でした。「放課後等デイサービスの質の向上を目指して、今何ができるか?」という(わりに)堅苦しいタイトルでしたが、思いの外多くの方にご参加いただきました。翼職員も運営の傍ら、グループディスカッションに参加させていただきましたが、職員にとって様々な方と現場の苦労を交えた忌憚ない意見交換をすることができ、運営側としても学ぶことがたくさんありました。

 このシンポジウムの開催と軌を一にするように、翼職員の意識に変化が生じてきたように思います。つまり、「もっと地域に出ていき、いろいろな人と繋がりたい」という思いが翼職員のなかに自発的に生じてきたように感じます。それは、翼職員がシンポジウムで他事業所の方々とのディスカッションでカリタス翼の意義や独自性を改めて意識したことも大きかったと思いますが、日々の実践を通して、もっと子どもたちのことを理解したいという熱意から、必然的に導き出されてきたように思いました。

 

 一つの試みとして、例えばこれまでは児童発達支援管理責任者(つまり向井)が単独で保護者面談をするケースが多かったのですが、今年からは現場の職員も同席するようにし、より子どもたちに近い目線からお話できるようにしました。今まではデイサービスの準備に人手をかけていたのですが、あえてそこを削ってでも、翼職員が直接保護者の皆さんとお話できる機会を作ることにしました。現場職員がお子さんに関するエピソードを保護者の皆さんからお聞きすることができ、子どもたちに対する理解がより深まることで、子どもたちの理解がより現場に活かしやすくなり、結果として子どもたちがさらに落ち着いて過ごせるようになりました。現場職員と保護者の皆さんが繋がった結果でした。

 さらに、他事業所や学校、教育センターとの連携会議や定例会議にも、現場職員を連れ出して、どんどん参加させるようにしました。これも、子どもたちの理解を他機関と共有することができたため、支援の質が上がることに繋がっていくと思います。

 

 教材を作ったり、プログラムの準備をその日その日の利用者に合わせて完璧に作り上げることももちろん大事ですが、それだけだと、どうしても独りよがりの内向きな支援になってしまう危険性があります。「カリタスのやっていることはなんだかすごそうだけど、よくわからないよね…」という支援では、せっかく翼で積み上げていることを地域で活かすことができなくなってしまいます。個人的に、この一年で得た大きな気付きは、現場が主体となる連携であり、それは「人と人との繋がり」なんだと思いました。

 

 というわけで、カリタス翼にとってまた新しい一年を迎えますが、今年の翼のテーマは「地域に出る」ということにしたいと思います。将来、子どもたちが地域で共に生きることができるように、まずは私達から地域に出ていき、様々な方と連携をとりながら子どもたちと関わっていきたいと思います。

 2016年のカリタス翼もどうぞよろしくおねがいします。

 

(文責:向井崇)